脊椎内視鏡外科の手術適応疾患

 せぼねの中に神経の通り道(脊柱管および椎間孔)があり、せぼねの老化により神経の通り道が少しずつ狭くなっていきます(脊椎変性)。脊椎変性が進行すると脊髄・馬尾・神経根を圧迫するようになり、圧迫が進行すると神経の血流が悪くなるため様々な神経症状を呈するようになります。自覚症状が軽度であるからと言って放置すれば、長年の積み重ねによって神経麻痺をきたして立位歩行や坐位が困難となったり、膀胱直腸障害をきたして排尿障害や排便障害をきたすこともあります。超高齢化社会となっているわが国では、このような脊椎変性疾患は脊椎脊髄病の約9割を占めています。

下記のような脊椎変性疾患が手術適応となります。

  1. 腰椎疾患
    椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、椎間孔部狭窄症、変性すべり症、分離すべり症、脊柱管内嚢腫病変(椎間関節嚢腫、椎間板嚢腫など)、変性側弯症、Failed back surgery(腰椎多数回手術後)など脊椎変性疾患の約75%に該当します。
  2. 頚椎疾患
    椎間板ヘルニア、頚椎症性神経根症、頚髄症、黄色靱帯石灰化症など脊椎変性疾患の約25%に該当します。
  3. 胸椎疾患
    椎間板ヘルニア、黄色靱帯骨化症、円錐上部症候群、胸髄症など脊椎変性疾患の約5%に該当します。

注)脊髄・馬尾・神経根が画像上神経圧迫を認めても無症状の場合も多々あり、その場合は手術適応とはなりません。



脊椎内視鏡手術の適応外となる疾患(脊椎固定術の適応となります)
  • 脊柱靱帯骨化症:後縦靭帯骨化症
  • 脊椎外傷:頚椎脱臼骨折、胸腰椎破裂骨折など
  • 脊髄損傷:不安定性椎体骨折、髄内出血など
  • 脊椎感染症:化膿性椎間板炎など
  • 脊椎腫瘍・脊髄腫瘍:椎体巨細胞腫、神経鞘腫など
  • 脊椎椎体圧迫骨折:骨粗鬆症、椎体腫瘍など
  • 脊柱側弯症・後弯症:思春期側弯症、変性側弯症など
  • その他:リウマチ性脊椎炎、透析性脊椎症など

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