長期収載医薬品の選定療養について

長期収載医薬品の選定療養

長期収載医薬品について、2024年10月1日から選定療養が導入される。


(1)条件等

ア. 患者に対して長期収載品の処方等又は調剤に関して十分に情報提供され、医療機関又は薬局との関係において患者の自由な選択と同意があった場合に限られる。患者の希望による長期収載品の選択を対象とする。

イ. 以下の場合は、選定療養の対象とはならない。

  1. 院外処方の場合
    ⅰ)銘柄名処方をされた長期収載品であって、医師が処方箋の「変更不可(医療上必要)」欄に「✔」又は「×」を記載した場合
    ⅱ)後発医薬品の在庫状況等を踏まえ、当該保険薬局において後発医薬品の提供が困難であり、長期収載品を調剤せざるを得ない場合
    ⅲ)保険薬局の薬剤師において、患者が服用しにくい剤形である、長期収載品と後期医薬品で効能・効果等の差異がある等、後発医薬品では適切な服用等が困難であり、長期収載品を服用すべきと判断した場合
    ⅳ)処方箋において「患者希望」欄に「✔」又は「×」の記載がされていたが、調剤時に選定療養について説明した結果、患者が後発医薬品を希望した場合
  2. 院内処方の場合
    ⅰ)医師が医療上必要があると認めた場合
    ⅱ)後発医薬品を提供することが困難な場合

ウ. 入院中の患者については対象外となる。

(2)対象医薬品

ア. 対象の長期収載医薬品は以下のものである。

  1. 後発医薬品が初めて薬価基準に収載された日の属する月の翌月の初日から起算して5年を経過したもの
  2. 後発医薬品の置換え率が50%以上であるもの

※ ①であっても後発医薬品への置換え率が極めて低い場合(置き換え率が1%未満)である長期収載医薬品は、上市後5年以上経過したものであっても対象外となる。

イ. 医科では、以下の場合に適用される。
① 在宅療養で用いる薬剤
② 内服、頓服および外用の薬剤
③ 在宅自己注射などで用いる薬剤
※調剤薬局における調剤点数表の20に掲げる使用薬剤料

ウ. 長期収載品には、準先発医薬品が含まれる。バイオ医薬品は対象外となる。

エ. 対象となる長期収載医薬品の品目の一覧は別途作成され、厚労省のウェブサイトに掲載されている
(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_39830.html)

(3)負担額

ア. 後発医薬品の最高価格帯との価格差の4分の1を患者負担とする(4分の3までを保険給付する)。

イ. 選定療養のため患者負担は消費税の対象。

出典:保険診療の手引 2024年6月版
(全国保険医団体連合会)